手術室において、清浄環境を維持しながら患者や医療従事者にとって最適な空間をつくることは最も重要な要素です。
そのためには、空調設備が大きな役割を果たします。空調設備は、それぞれの手術室に適合した空調環境をつくり、安全で信頼性のある空気を供給することを目的としています。
病院空調設備についてその基準となるものには、日本医療福祉施設協会規格の「病院設備の設計管理指針HEAS-02-2004」があります。
その中で手術室についても一般手術室は、「室内の空気清浄度や温湿度に留意するとともに、周囲の諸室より正圧を維持しなければならない」、バイオクリーン手術室に関しても「バイオクリーン手術室は、病院で最も高い空気清浄度クラスを確保する」とともに、層流の特徴を配慮して、計画することが望ましいという必要な条件を打ち出しております。
手術室の空気の流れは、天井面より吹き出した清浄空気で術野および医療従事者の周りを包み込み、気流に乗せて速やかに手術台下に流れます。
その空気は、壁面に設置されたリターンガラリより吸い込まれ、一部外部の新鮮な空気と混合され、空調機により温湿度コントロールされ、天井面のHEPAフィルタを通して、再び手術室に清浄空気を送り込まれます。
単一ダクト方式
従来より用いられているスタンダードな方式であり、機械室に空調機を設置し、温湿度コントロールした空気をダクトにより手術室に送り込み、手術室天井面に設置したHEPAフィルターユニットにて空気清浄を行い供給するシステムです。
室内循環機設置方式
手術室壁面に温湿度コントロールのための空調機(直膨タイプ・冷水、温水タイプ)を設置し、天井面にはファンを内蔵したHEPAフィルターユニットを設置し、空気清浄を行い供給するシステムです。
ただし、外気処理機は手術室外に設置が必要となります。
単一ダクト方式
室内循環機設置方式
長所 ・温湿度コントロールが容易。
・点検や故障時に手術室に入室する必要がない。
・機械室が不要。
・手術室外からダクトは外気用だけなので、
 階高を低く抑えることができる。
短所 ・機械室が必要。
・空気を搬送するダクトが梁下を通るため、
 階高が高く必要。
・点検、故障時には手術室に入室する必要がある。
・経年劣化により、手術室内で漏水が
 発生する可能性がある。